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設立趣旨書わが国のものづくりでは、ものに対する思い入れや品質に対するこだわりが、作り手のメッセージとして消費者へ伝わることで感動を呼び、それが原動力となって進化し続けてきました。その間、大量生産の時代や、多品種少量生産の時代を経て、現代は、もの余りの時代、ものが売れない時代といわれています。しかし、作り手のメッセージが込められたものは、常に人々を魅了し、ビジネスの世界においても高付加価値の製品となっています。ここに、効率中心の管理とは一味違う、わが国独自のものづくりの文化や、それを支えている技術あるいは知恵が隠されています。この素晴らしい資産を、確実に継承した上で、さらに現在の我々が置かれたビジネス環境にも合わせて発展させていかなければなりません。 これに対し、現在のものづくりを担っている製造業の現状は、もの(製品)の技術、つくり(製造)の技術、そして、それらをさまざまな要求に適応させる管理技術が、個々に高度で複雑さを増し、それぞれが専門特化しています。そしてその結果、かえって全体としての方向性とバランス感覚を失い、企業としてのパフォーマンスを発揮できない状況にあります。欧米から輸入されたグローバルスタンダードともいえる情報技術を一方的に受け入れるばかりでは、わが国独自の組織文化や複雑性に対応しきれないばかりか、個々の現場で行う創造的なものづくりを、返って阻害する要因ともなっています。現場、現物中心の日本的な文化と、トップダウンで効率中心の欧米型文化とが、なかなか折り合いがつかずに、多くの企業が試行錯誤を繰り返しています。そして、悲しいことに、それらのせめぎ合いの中で、すでに貴重ないくつもの現場発の技術や知識が失われています。 私たちは、この状況を変えるために、2001年に任意団体「PSLXコンソーシアム」を設立し、製造業の現場で生まれた管理技術を中心に、ものづくりに関する多くの知識やノウハウを活用可能なしくみを議論し、それを広い意味での標準として仕様にまとめ、国際的にも認められる日本発のAPS(先進的な計画とスケジューリング)を提案してきました。提案した内容の一部は、IECの国際標準に組み込まれるなど、大きな成果をあげることができました。そしてさらに、2006年に入り、製造業固有の業務知識と、IT関連企業がもつ技術を整理し、個々の製造業が自ら実践するためのAPSについて、より現実的で効果的な仕様を完成させました。これまでの活動を通して、私たちは、APSを核とする製造業の現場と経営部門が一体となった意思決定のしくみを、より多くの志ある製造業が構築し、そしてその成果を企業の枠を超えたネットワークによって全体に普及させていくことで、わが国のものづくりをより柔軟でダイナミックに進化可能な形に変える必要があるという結論に至りました。こうすることで、先人が培ってきたわが国のものづくりの資産を継承し、さらに発展させ実りあるものにすることができると確信します。 以上のような経緯から、私たちは、いままでの活動を、より非営利活動であることを強調するとともに、より社会に対して責任ある組織活動として発展させ、この問題を共有する多くの一般市民の信頼と要望に対応できる体制をつくりたいと思います。そして、より多くの一般市民を対象として、APSを核としたわが国固有の技術の体系化および高度利用を推進することで情報化社会の発展を図り、ものづくりに直接的または間接的に携わる人々が、より創造的で魅力的なものづくりを実践できる環境を整備することで経済活動の活性化を図り、ものづくりにおけるAPS技術のさらなる発展と普及を促進することで科学技術の振興を図り、そこで得られた成果を海外へ向けて積極的に情報発信することで国際貢献と国際交流を行い、もって豊かで充実した社会づくりに寄与するために、私たちは、「ものづくりAPS推進機構」を設立します。 平成18年7月13日 |
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